夫が先日、SNSにて
こんな投稿をしておりました。
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皆さま
先週より入院しています。頭のイボが皮膚がんになってしまい切除手術を受けましたが、経過は順調で木曜日に退院できそうです。
Dear all,
I'm in hodpital since last week. My wart on my head skin turned cancerous and I underwent surgery to remove the skin cancer. I'm recovering well after the operation and will be released from the hospital this Thursday.
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そう。
そうなんですけどね。
軽っ!そこには書いてない、書かなかった
色々な経緯や、
何より「人の思い」があるのです。

ポチっと!していただけると励みになります!始まりは3月で、急変は8月でした。
ひとたび癌のスイッチが入ってしまうと
免疫抑制剤を飲んでいる夫の身体は
癌の進行が速く
頭部に出来た腫瘍は目視できるレベルで
大きくなっていきました。
8月18日。
春から治療を続けていた
頭部の出来物に異常を感じ、
予約外で皮膚科外来に出向き
癌化していることがわかりました。
有棘細胞ガンでした。
正確には8月18日に診察し、
9月8日に生検し、
その結果が癌だとわかったのが9月半ば。
癌と分かった頃の湯河原免疫抑制剤の影響で
進行が速いことを懸念し、
最短で手術の予定がくまれましたが、
それでも3週間先の10月6日でした。
その間にMRIやCT、
癌がどこまで進んでいるかの検査を行い
検査段階では骨などの深いところまでは
至っていないと思う、という
安心できるお話が聞けました。
ただ、進行が速いので
切ってみないとわからない、とも。
実際、その間も
頭部の腫瘍は目で確認できるレベルで
大きくなり続けている状況でした。
MRI、CTなどの検査結果が出揃い、手術・病状の説明を聞きにいく
前日が私の誕生日有棘細胞ガンの予後を左右する指標のひとつに
大きさがあります。
「2cm 」
毎回、絆創膏を変える度に
定規で大きさを確認していきました。
確認してどうなるものでもないのですが
とにかく落ち着かなかったのです。
大きくなってないこと確認して
安心したかったのだと思いますが
むしろそれは逆効果だったな、と
今になってみれば思います。
また大きくなったかも ーーー
絆創膏を剥がした瞬間、
ヒュッと息を飲んだことが何度かありました。
測ってみれば、
まだ1.5cm… 1.8… 2cmいったかも…
遠かった2cmという指標に
あっという間に近づき、追い越し、
大きくなったのは絆創膏の圧迫で
変形しただけかも、、、
なんて現実逃避をしてみたり。
とにかく1日も早く
手術の日が来て欲しいの一心でした。
頭皮の皮膚なんて薄い。
深層部まで進行していないと言われても
検査結果が出てからの日々も
こうして拡大し続けてて
手術を待つ間に骨まで行ってしまったら
どうしよう。
医師はそれを恐れて最短の日程で
組んでくれたというけれど…
頭に浮かぶネガティブな考えをぺシャリと
押しつぶしては、またムクムク湧き上がる。
「白血病をのぞけば健康」と言われたあの頃と
「白血病の加療をしながら
初期だと思われる皮膚癌」って
どっちがマシなの?とかとか
呼吸が浅い日々でした。
コロナにもこれまで以上に気を使いました。
予防接種はしているものの、免疫抑制剤の関係で
効果は不明で、コロナ感染してしまうと
1ヶ月手術が伸びてしまう。
PCRを無事終えた時はホッとしました。
手術の4日前がKei君の運動会万が一、骨まで達していた場合も想定し
形成外科の医師の予定も確保してくれてーーー
『最悪の事態に備えながら、
最善の結果を目指します。』
という力強い先生の言葉をお聞きして
ジタバタせずにお任せしよう、と
ようやく腹をくくれたのは
手術の3日前のことでした。
病気で心も弱ってしまった時、
主治医が信頼できるかどうかって
本当に大事です。
癌の原因として考えられるのは
白血病の加療で飲んでいた薬があげられましたが
明確なところはわからず、
治療を続けていても癌化を防げるものでは
ありませんでした。
癌化する可能性があるから
春から治療をしてもらっていたはずなのになぜ?
そして、なぜ彼ばかりが?
湧き上がる沢山の「何故」という思いを
何度も押し殺しました。
入院前日。SOの歯列矯正。ようやくブラケットが外れてリテーナーに!
目指せ美しい歯並び!冒頭のとおり、夫は白血病の時も
今回もいつも淡々と病気を受け止め
粛々と治療をするだけで
愚痴や不満を口にすることはなかったので。
入院の日の朝んぽ。そうして様々な思いと葛藤しながら
手術の日を迎えました。
手術の時間は大体3時間。
エレベーター前で待ち続け
11時45分の終了予定ピッタリに
病室に運ばれる夫の姿を見ることができました。
予定通りに終わったということは
悪くないはず。
その後、執刀医から説明を受けました。
手術の朝。手術に立ち会う前にジータ追加散歩。今回は腫瘍部分と、
その周囲1cmのマージンをとっての
切除手術となりました。
結果として直径5cmほど切除された皮膚は、
今は人工皮膚を被せていますが、
来月、太ももあたりから
皮膚の移植手術をする予定です。
残念ながら、毛根は再生されないので
一生スキンヘッド確定ですが
本人がそもそもあまり気にしてないことに加え、
SOが「お父さんは今の髪型が素敵だよ!」と
天使みたいなことを言ってくれたので
あとはスーツとかにも似合う帽子を
探さなきゃなー、
とか、悩んでいるのはそんなことくらい。
手術後、3日目の週末
時間が許す限り思いっきり運動させ
Keiを連れ回して、SOのお誕生日プレゼントを買いにいった週末。
Kei君ぐったり。今回切除した腫瘍とは別に
10箇所、癌化が疑わしい部分の皮膚を切除し
生検にまわしています。
その結果次第で、
また今後のことを判断していく予定です。
とりあえず出来ることは、
再来週あたりに出揃う生検結果が
良いことを祈りつつ待つのみ。
とにかく、日に日に大きくなる腫瘍、
目で見ることが出来る大きな不安要素を
切除してもらえたことで無理矢理ではなく
前向きな気持ちが持てるようになりました。
手術後5日。夜な夜なSOにリクエストされた風船飾りの準備。
これからのことは、
この後また考えればいいこと。
そんなこんなを含めて
冒頭の彼の簡潔な文がありました。
癌とわかってから今日までの1ヶ月。
特に入院中の10日間。
金魚も川魚達も1匹も殺さなかったよ!たった10日間だったけど
日常に非日常の出来事が加わっていき
ママ友達などにも手伝ってもらいつつ
なんとか乗り越えた日々でした。
特に子どもに犬ね…
計画通りに事が進まぬ生き物の
お世話を焼きながらのマルチタスクは
感じたことのない異次元の疲労でした。
人として、母として、飼い主として、
働く人として、限界値をあげた気がします。
手術後6日。SO、10歳の誕生日。パーティは夫が帰ってきてからのお楽しみ。そして明日、やっと明日、
夫が退院できることになりました。
昨日は近所のパピー ジーナといっぱい遊んでジータ。
何があっても、
どんなことがあっても、
どんな気持ちで過ごしていても、
日常は過ぎていく。
突然送られてきた差し入れ。
優しい気持ちが詰まってて泣きそうに嬉しかった。
何も聞かずに寄り添ってくれた友人達の言葉も
本当に心強かったです。何一つ止まってくれることなく
素知らぬ素振りで次々に色んなことが
起こっていくのが人生なんだなぁ、と
改めて思った怒涛の月日でした。
とまらず頑張った自分を
褒めてあげようと思います。
そして、やっと!夫の退院。
子ども達の送迎を
手伝ってもらえるかなー(←鬼嫁)

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